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【会読・読書ノート】生物から見た世界/ヤーコブ・フォン・ユクスキュル,ゲオルク・クリサート(著).日高敏隆,野田保之(訳)/思索社【第一部・三章】

はじめに

この本(生物から見た世界/ユクスキュル)は、大変素晴らしい本だと思うのですが、私の力が及ばず、現状、私はきちんとした深い読みができていません。理解を深めるために、会読を進めていこうと思います。「インターネットを使えるなら、会読の要約(レジュメ)はぜひともネット上に公開すべきだ(独学大全・p192)」の言葉に基いて、こちらにアップしていきます。ご示唆・ツッコミは大歓迎です。(レジュメ作成には、昭和48年6月30日に思索社から発行された版を用いています。現在岩波文庫から出ている新版とは、ページ数や訳語が異なる、第二部やアドルフ・ポルトマンによる解説が存在する、等の差異があります)

 

第一部


〈三章〉知覚時間
 
【要約】
カール・エルンスト・フォン・ベーアは、時間は主体が生み出したものと説明した。時間は、最小単位である「瞬間」が連続することで成立する。そのため、主体が、どのくらいの長さの時間を「瞬間」として捉えるかにより、時間は異なる(逆に言えば、時間の区切り・時間の途切れ目として感じてしまう長さは、生物により違う)。すなわち、環境世界ごとに時間は異なっている。


 
人間では、瞬間の長さは1秒の1/18である。例えば、1秒間に18回以上の空気振動は、単一の音となってしまうし、1秒間に18回以上皮膚をつつくと一様な圧迫として感知される。映画も、1秒の1/18の速さでコマが送られることで連続した映像になっている。


 
人間の目で捉えられないような、素早い動物の行動を可視化しようとするときは、ツァイトルーペを用いる。ツァイトルーペとは、一秒間内に多くの映像を撮影し、これを通常の速度で映写するやり方である。運動の過程をゆっくりとした流れに引き伸ばすことで、人間の時間のテンポ(1秒に1/18)よりも早い現象を観察することができる。逆に、ツァイトトラッファー(低速度映画)は、われわれのテンポにとってはのろすぎる現象を可視化することができる。
 


では、我々と異なる知覚時間をもち、その環境世界での時間経過が人間と異なるような動物はいるのだろうか。

 
ドイツの若い研究家が、この方面に先鞭をつけ、トウギョの研究を行っている。その結果、トウギョは少なくとも1秒間に30回(1/30)のコマ送りではないと動いているとは認識できないことがわかった。また、別の研究者による実験では、最高速度の検証が行われた。トウギョにとっては「1/50」秒を超えた動きだと、連続した動きとして見えることが示された。したがって、活動の敏捷な獲物を食べているこれらの魚では、すべての運動がその環境世界内ではスローモーションのようなゆっくりとしたテンポで現れる。

 
また、逆に、カタツムリの実験からは、カタツムリの知覚時間が一秒間に三から四の時間のテンポで流れていることが示されている。つまり、カタツムリの環境世界では、すべての運動は人間の環境世界におけるよりもずっと早い。すなわち、カタツムリの主観的には、自身の運動はのろくないと感じているだろう。
 
 
【感想】
・時間を主体による微分……微分的な考え方?で捉えている、という理解でいいのかしら?

 

・そういえば、格ゲー大好きな友達が、秒?を分割した単位を「フレーム」とか表現していたような……「この技の発生は〇フレームで、それは人間の認知ギリギリだから、まず返せない、だから……」とかいろいろ教えてくれていたのだけれど、私は全く分からず「人間の時間認知ってすごいなー。反射速度も、訓練でそこまで上げられるんだー」ぐらいのことしか理解できなかったので、大変申し訳なく、また、勿体ないことをしたなーとしみじみ思っている……